ステンレス製時計塔

高等学校100周年の記念事業で、時計塔を製作させていただきました。ステンレス製#400鏡面仕上げとし、生徒さん達がこの学校から世界へ羽ばたき活躍することを願ってデザインさせていただきました。基礎部分と時計は元請け様にて施工頂いています。

DATA

物件名称奈良県立高等学校
所在地奈良県宇陀市
施工時期2023年9月
施工種別ステンレス製SUS304 #400鏡面仕上げ 工場製作品 特注(デザイン含む)
材質ステンレス製

材料

ステンレスSUS304は、ステンレス鋼のひとつで錆びにくく強度があり、産業や建築に広く使用され、ステンレス鋼の中では最も一般的な鋼材です。クロムとニッケルの含有量が高く耐食性に優れていて、屋外での使用に適しています。

仕上げは、#400番鏡面仕上げです。鏡面仕上げとは表面仕上げのひとつであり、記号により光沢レベルを表します。400番バフによって研磨仕上げしたものです。

材料はレーザー切断やレーザー穴あけを施し精密な寸法で入荷されてきます。また、柱に使用する角パイプは、未研磨の仕上げていない材料しか市場にないため、レーザー切断後に#400番に研磨され入荷。丸パイプは直線の材料をアール曲げ加工をされた状態で入荷し、その後工場で寸法切断を行いました。

時計塔の柱となる脚
時計塔の柱となる脚
時計を取り付ける角材
時計を取り付ける角材
3本の脚を繋ぐ円形のパイプ
3本の脚を繋ぐ円形のパイプ

工場製作の状況

柱の角パイプを正確な角度で組み立てるため、加工台の上にレーザー切断した柱受けの治具を製作して組み立てる事にしました。接合・組み立ては、電気業者様との共同作業にて時計の配線も合わせて行いました。

ステンレスの溶接は、Tig溶接※で行い、ベースプレート部分の接合は、鉄工所様に半自動溶接で高強度の溶接を実施頂きました。

※Tig溶接とは、Tungsten Inert Gas(タングステン不活性ガス)溶接を略したもので、アーク溶接法の一種です。不活性ガスにアルゴンガスを使用しています。

溶接作業の準備風景
溶接準備の様子
時計を取り付けるステンレス製角材と円形パイプの溶接
時計取り付け角材、円形パイプの溶接
時計を取り付けるステンレス製角材の溶接
時計取り付け角材の溶接
時計を取り付けるステンレス製プレートの溶接
時計取り付けプレートの溶接
ステンレス製円形パイプの溶接
円形パイプの溶接
ステンレス製円形パイプの溶接部
円形パイプの溶接部
3本のステンレス製脚と基礎取り付け部の溶接の様子
3本の脚と基礎取り付け部の溶接

各所の溶接部の焼けを酸で除去し、全体をバフで#400番に仕上げ磨きを行い製作完了です。

各部材の溶接完了(下部からの様子)
各部材の溶接完了(下部から)
各部材の溶接完了(上部からの様子)
各部材の溶接完了(上部から)
各部材の溶接完了(真上からの様子)
各部材の溶接完了(真上から)
各部材の溶接完了(円形パイプの様子)
各部材の溶接完了(円形パイプ部)
工場で組み立て最終検査の様子
工場で組み立て最終検査

現場施工の状況

あらかじめ元請け様と鉄工所様で、掘削・アンカーボルト据付を行って頂き、時計塔の基礎部分を製作して頂きました。運搬・搬入後、クレーン車で荷吊りし、垂直を確認しながらアンカーボルトを締め付け調整し建て込み完了です。

校内の設置場所での基礎の状況
校内の設置場所(基礎回り)
時計塔のトラックによる運搬・搬入
運搬・搬入
クレーン車による時計塔の荷下ろし作業
クレーン車による荷下ろし
クレーン車による時計塔の吊り上げの様子
クレーン車による時計塔の吊り上げ
時計塔と基礎部分の接合作業
基礎との接合工事

施工完了

基礎部分への設置完了
基礎部分への設置
設置完了の様子
設置完了
設置完了の様子(円形パイプ部) 
設置完了(円形パイプ部)
基礎部分への設置完了(全体の様子)
基礎部分への設置完了(全体)

完成

最後に元請け様にて柱脚部の寝巻きコンクリートを行い、時計の取付、周囲の仕上げを行い完成となりました。

基礎部分を仕上げて完成
仕上げ(1)
基礎部分を仕上げて完成
仕上げ(2)
時計塔の完成写真
時計塔の完成